Skip to main content

お知らせ&トピックス

News & Topics
2025-03-31

ミャンマーで大地震発生、ビル倒壊を教訓に考えること

3月28日にミャンマーで発生したマグニチュード7.7の大地震では、多くの建物が倒壊し、甚大な被害が発生しました。

中でも、隣国タイの首都バンコクで建設中だったビルの倒壊が注目されています。このような地震被害を受けて、日本を含む地震多発国では、建築中の現場においても改めて安全対策の見直しが求められています。

建築中の現場は、完成後の建物とは異なり、構造がまだ不完全な状態であるため、地震発生時のリスクが特に高くなります。まず第一に重要なのは、仮設足場やクレーン、仮囲いといった一時的な設備の安全性の確保です。強風や地震によりこれらが倒壊すると、現場内の作業員の命が危険にさらされるだけでなく、周囲の歩行者や近隣住民にも被害が及ぶ可能性があります。各資材の固定、設置基準の遵守、そして定期的な点検が必要です。

次に、構造体の組立段階での安定性の確保が求められます。たとえば鉄骨建方の途中や、コンクリート打設前の型枠設置中など、建物の強度がまだ確保されていない状態では、地震による揺れで部材が落下したり倒壊する危険性があります。このような段階では、必要に応じて仮補強を行い、一時的でも構造体が自立できるように工夫することが求められます。

また、作業員の安全確保と避難訓練も非常に重要です。建設現場では高所作業や重機操作が多く、地震発生時のパニックが重大事故につながるリスクがあります。そのため、事前に地震を想定した避難経路の確保や、作業中止の判断基準を明確にし、定期的な避難訓練を行うことで対応力を高めておく必要があります。

さらに、資材の保管方法や重機の配置にも注意が必要です。地震発生時に積み上げられた資材が崩れると、大きな二次災害を招く可能性があります。重機についても転倒防止措置や使用時間の管理を徹底することで、安全性を高めることができます。

最後に、工期優先の姿勢を改め、安全第一の文化を根付かせることが本質的な対策になります。建築現場では工期やコストが重視されがちですが、安全対策を軽視することは最終的に大きな損失につながります。施工管理者は、現場全体の安全意識を高め、常に最悪の事態を想定して計画を立てる姿勢が求められています。

ミャンマーの地震は、決して他人事ではありません。

日本の建設現場でも常に災害リスクを意識し、「未完成であるからこそ危ない」という前提のもと、安全対策を強化していく必要がありますね。